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★【視線】を初めから読みたい方はこちらから→視線

彼の仕事が早く終わりそうだというので、外で会うことになった。
外でデートするのは久しぶり。
何を着ていこうか、思いめぐらせていると、彼が耳元で囁く。
「どんなスカートでもいいけど、下着はつけないでね。もちろんストッキングもダメだよ。」
彼の出ていったドアを見送って、私は耳元まで紅くなる。
彼は私を困らせるのが好き…私が紅くなったり、青くなったりしているのを見て楽しんでる。
でも、いつも、結局、彼の言うとおりにしてしまう。
春先の気候は予断を許さない。
汗ばむ陽気の日もあれば、肌寒さに薄手のブラウスを悔やむ日もある。
でも、ここ数日はつぼみもほころぶような暖かな日が続いていた。
何を着ていこうか迷ったものの、ミニスカートをはく勇気はなく、
柔らかいオーガンジーの黒いフレアースカートと、割と身体にフィットした黒のニットを選ぶ。
別に何気ない格好だが、下着をつけていないせいで頬が桃色に染まって、
鏡の中の私はなんだかなまめかしく微笑んでいる。
待ち合わせの昼下がりのホテルのロビーは、空いているかと思えば、
意外とビジネスマンたちで混み合っている。
彼の姿はまだ、見えない。
彼が私より早く来たことはないのだけれど。
でも、私は彼を待つのが嫌いではない。
ステーションホテルにつくまでに、地下鉄に乗った。
下着をつけていないのがわかるわけはないけれど、私はずっと下を向いて紅くなっていた。
ホテルにつくと、私はロビーの柔らかい革張りのソファに座り込んだ。
目の前を行き過ぎるビジネスマンたちはみんな一瞬、私に目を留める。
私の心臓が波打ち始める。
わかりはしない…わかるはずがない。
そう、自分に言い聞かせ、閉じた脚をもぞもぞさせる。
不意に携帯が鳴る。
彼。
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